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【医師監修】ホルモンバランスの乱れ⤵その原因と対策は?

ホルモンバランスが乱れる、ホルモンバランスの乱れが原因の不調などよく聞く話題ですが、そもそもホルモンランスの乱れとはどういった状態で、どうして崩れてしまうのでしょうか?

そもそもホルモンとは体の中で作られる化学物質で、血液を介して全身を巡り、様々な臓器や組織の働きを調節する役割を担っています。体内に存在するホルモンの種類は100種類以上あり、それぞれ異なる働きをしています。

とりわけ中でも女性ホルモンと男性ホルモンのバランスが崩れると、様々な不調が現れます

乱れの原因には大きくわけると3つあります。

原因①ライフスタイル

  • ●ストレス:仕事や人間関係などによるストレスは、ホルモンバランスを乱す代表的な原因です。ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が増えると、女性ホルモンの分泌が抑制されます。
  • ●睡眠不足:睡眠不足は、ホルモン分泌を調整する脳内物質の分泌を妨げます。特に、成長ホルモンやメラトニンの分泌量が減少し、ホルモンバランスが乱れやすくなります。
  • ●運動不足:運動不足は、血行不良や代謝の低下を招き、ホルモンバランスの乱れに繋がります。適度な運動は、ホルモン分泌を促進する効果があります。
  • ●偏った食生活:栄養バランスの偏った食事は、ホルモンバランスの乱れを引き起こす可能性があります。特に、ビタミンやミネラル不足は、ホルモン生成に必要な栄養素が不足するため、ホルモンバランスが乱れやすくなります。
  • ●冷え体の冷えは、血行不良を招き、ホルモンバランスの乱れに繋がります。

原因②加齢

  • ●女性の場合:閉経を迎えると、女性ホルモンの分泌量が減少します。そのため、更年期障害などの症状が現れます。
  • ●男性の場合:男性ホルモンの分泌量は、加齢とともに徐々に減少します。そのため、筋力低下や骨粗鬆症などの症状が現れます。

原因③その他

  • ●ダイエット:無理なダイエットは、ホルモンバランスを乱す可能性があります。特に、極端な食事制限や運動不足は、ホルモン分泌を抑制するストレスホルモンの分泌を増やします
  • ●薬:一部の薬は、ホルモンバランスに影響を与える可能性があります。服用している薬がある場合は、医師に相談しましょう。
  • ●病気:甲状腺機能障害や糖尿病などの病気は、ホルモンバランスの乱れを引き起こす可能性があります。

原因はたくさんあることがわかります。それではどのように対処していけばよいのでしょうか。

対策①生活習慣の見直し

ホルモンバランスの乱れを整えるための対策として大きく3つの分けてご紹介します。1つ目は生活習慣の見直しです。

  • ●ストレスを溜めない:適度な運動や趣味を持つ、音楽を聴くなど、ストレス解消法を見つけて実践しましょう。
  • ●十分な睡眠をとる:質の高い睡眠をとるために、毎日同じ時間に寝起きし、寝る前のスマホやパソコンの使用は控えましょう。
  • ●適度に運動する:ウォーキングやジョギング、ヨガなど、自分が楽しめる運動を週に3~5回程度行いましょう。
  • ●バランスの良い食事を心がける:野菜や果物、魚、大豆製品などを積極的に摂取し、栄養バランスの偏りを解消しましょう。
  • ●体を温める:入浴やカイロなどで体を温め、血行を促進しましょう。

対策②専門医に相談する

不調の原因が何なのかわからず、大きな病気かも?と心配になってしまいますよね。

生活習慣を見直しても改善が見られない場合は、婦人科や内分泌科などの医療機関を受診し、専門医に相談しましょう。

ホルモンバランスが整うと、自律神経も整い、毎日元気で過ごすことができるでしょう。

対策③その他

  • ●サプリメントや漢方薬を服用する:医師や薬剤師に相談の上、サプリメントや漢方薬を服用するのも有効です。
  • ●アロマやハーブティーを活用する:ラベンダーやカモミールなどの香りには、リラックス効果があり、ホルモンバランスを整えるのに役立ちます。
  • ●酵素ドリンクを飲む:ビタミンやミネラルが豊富な酵素ドリンクを飲むことで間接的にホルモンバランスの乱れを整える可能性があります。

そもそもホルモンって?主なホルモンとその働き

ホルモンの乱れと一言で片づけてしまいがちですが、ホルモンにも様々な種類があります。

  • 成長ホルモン:骨や筋肉の成長を促進する
  • インスリン:血糖値を下げる
  • 甲状腺ホルモン:エネルギー代謝を促進する
  • 副腎皮質ホルモン:ストレスへの適応を助ける
  • 性ホルモン:生殖機能や二次性徴の発達を促進する
  • ホルモンの分泌調節

ホルモンの分泌は、主に脳にある下垂体によって調節されています。下垂体は、「脳の下垂体」とも呼ばれ、脳の真ん中に位置する小さな器官です。下垂体から分泌されるホルモンは、「下垂体ホルモン」と呼ばれ、他の内分泌腺のホルモン分泌を調節する役割を担っています。

内分泌腺

ホルモンを産生する臓器を「内分泌腺」といいます。主な内分泌腺は以下の通りです。

  • ●下垂体
  • ●甲状腺
  • ●副甲状腺
  • ●副腎
  • ●膵臓
  • ●卵巣(女性)
  • ●精巣(男性)

体内のホルモンは、常に一定のバランスを保たれています。このバランスが崩れると、様々な不調が現れます。女性の場合は、月経周期や妊娠・出産、更年期などによってホルモンバランスが大きく変化します。男性の場合は、加齢とともにホルモン分泌量が減少していきます。

元気で楽しくあるために

ホルモンは、体にとって非常に重要な役割を果たしている化学物質です。ホルモンバランスが崩れると、様々な不調が現れるため、日頃から生活習慣を整え、ホルモンバランスを保つことが大切です。

しかしながら、たくさんの種類や原因があり、自分自身では分からないときには医療機関に相談しましょう。ライフスタイルを見直し、規則正しくバランスの良い食事を摂ったり、軽い運動をしたり、じっくり睡眠をとるなど、自分で改善の余地があるところは出来るところから始めて、いつも元気で美しく楽しく過ごしたいですね。

本記事の監修は

医学顧問 早川 宏司 先生

996年:日本形成外科学会認定専門医
1997年:大牟田市立病院形成外科部長
1999年:大阪白壁美容外科形成外科部長
2001年:矢永クリニック勤務
2003年:形成外科 白山クリニック開院 院長

日本形成外科、美容外科認定専門医
日本乳房オンコプラスティック学会認定医

 

 

 

 

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