【医師監修】気になる薄毛・抜け毛◆知りたいメカニズム
子どもの頃は薄毛と言えば中年のおじさんというイメージでした。しかし、ストレス社会の現代は老若男女様々な原因で抜け毛や薄毛を気にしている人増えてきました。
ストレスが原因と理由づけてしまうのは簡単ですが、全ての薄毛や抜け毛がストレスとは限りません、
それではどのような要因があるのかご紹介します。
髪の毛周期は2~6年
私は抜け毛が多いかも……と心配な方へ
誰でも1日に50~100本抜ける
何故なら、体毛には全て毛周期があり、「成長期」→「退行期」→「休止期」を繰り返しているからです。毛髪は他の体毛に比べて毛周期が長く、女性で2~6年、男性で3~5年と言われています。すべての毛の毛周期は違っているので、その日抜けた毛髪は休止期に入り、また3~4カ月経てば新しい毛が生え始めます。しかしながら、毛周期に関係なく抜けてしまう毛には注意が必要です。
どっさり抜ける人は要注意
通常の毛周期で抜けてしまう毛は心配ありませんが、シャンプーをしたら束で抜けたり、枕に大量の毛がついているようだと毛周期以外の原因が潜んでいます。
大きく分けると抜け毛の原因は4つあります。
- 1.男性型脱毛症(AGA)
- 2.女性男性型脱毛症(FAGA)
- 3.円形脱毛症
- 4.その他
それぞれ詳しくご説明します。
1.男性型脱毛症(AGA)
男性型脱毛症(AGA)は、男性ホルモンの影響で髪の毛が薄くなる症状です。遺伝的な要素と男性ホルモンの影響が関係していると言われています。
特徴は
- ●頭頂部や前頭部から髪の毛が薄くなる
- ●髪の毛が細くなる
- ●生え際が後退する
AGAは進行型なので自然に治ることはありません。治療やケアによって進行を止め、発毛を促すことは可能です。
2.女性型脱毛症(FAGA)
FAGA(Female Androgenetic Alopecia)は、女性型脱毛症の略称です。女性ホルモンの減少や男性ホルモンの相対的な増加、遺伝的要素などが原因で、女性の髪の毛が薄くなる症状です。
特徴は
- ●頭頂部や前頭部の髪の毛が薄くなる
- ●髪の毛が細くなる
- ●生え際が後退する
- ●分け目が広くなる
AGA同様の治療が有効ですが、FAGAは医療機関にかかると保険適用外なのが難点です。
3.円形脱毛症
円形脱毛症は、ストレスやウイルス感染などが原因で、髪の毛が円形に抜け落ちる状態です。自己免疫疾患の一種とも考えられています。
特徴は
- ●円形に髪の毛が抜け落ちる
- ●10円玉~500円玉ほどの大きさで抜け落ちる
- ●数カ月で自然に治癒することが多い
円形脱毛症は自然に治癒する場合がほとんどですが、免疫疾患やウィルスの可能性も捨てきれないので、長引く場合は医療機関を受診しましょう。
4.その他
生活習慣の乱れ、栄養不足、睡眠不足、ホルモンバランスの変化、加齢、過度な喫煙などが原因で抜け毛や薄毛になることがあります。
特に女性は出産後や更年期が原因でたくさん抜けてしまうことがあります。
出産後はお母さんが赤ちゃんを育てるために体力が必要です。体はお母さんの体力を維持するために今必要でないものをそぎ落とす力を持っています。
なので、一時的に髪が抜けてしまってもまた生えてくるので安心してください。
すべての抜け毛・薄毛に言えること
1.生活習慣の改善
- ●十分な睡眠をとる
- ●栄養バランスの良い食事を摂る
- ●ストレスを溜めない
- ●適度な運動をする
2.頭皮マッサージで血流をよくする
3.育毛剤や発毛剤の使用
最後に
髪の毛に関しては優性遺伝なので、遺伝的な要素も強いのですが、過度なストレスや食生活の乱れ、睡眠不足や運動不足も厳禁です。
毛周期により抜けてしまう髪は全く気にする必要がありません。
明らかに抜けすぎだと思ったら早めにケアすることをオススメします。
次回は解決編です!
本記事の監修は
医学顧問 早川 宏司 先生
996年:日本形成外科学会認定専門医
1997年:大牟田市立病院形成外科部長
1999年:大阪白壁美容外科形成外科部長
2001年:矢永クリニック勤務
2003年:形成外科 白山クリニック開院 院長
日本形成外科、美容外科認定専門医
日本乳房オンコプラスティック学会認定医